BYPASS10  
 
機関紙誌等に発表した雑文を掲載しています。


2000200120022003200420052006200720082009| 2010| 2011

〈バイパスメニューに戻る〉   〈ページ末尾へ〉



あけましておめでとうございます   2010.1.1




映画「いのちの山河」試写会に際して
2010.03.18

 家の本棚から1冊の本を探してきました。
 岩波新書『自分たちで生命を守った村』、1968年1月20日発行の初版本、大学生協のカバーがかかっています。はじめて沢内村に出会った本です。この本を手に取ると、さまざまな思い出がよみがえります。
 私が大学に入ったのは1966年。この本を手にしたのは2年生のときです。
 歯科技工士をしていた父に「歯科へ進まなければ学費はださない。仕送りはしない」と言い渡され、しぶしぶ歯学部に入りました。これでよかったのか、と悩み多い青年時代を送っていました。
 そんな時期に、先の新書を読み、おなじ頃に学園祭で上映された同名の記録映画をみました。白黒の映画でしたが、最後に雪上車が雪煙をたてて進む場面が、カラーになったかのように見えたものでした。
 沢内村というと、老人および乳幼児医療費無料化の発祥の地、という一面が強調されすぎるきらいがあります。深沢村長は人口5千人弱の村に3人の保健婦を雇いました。この比率でいくと、自分の住んでいる市町村で、どれだけの人数の保健婦を配置することになるのか、あとでゆっくり電卓をたたいてみてください。
 医療費うんぬんよりも先に、住民の健康を守ることに注いだエネルギーに目を向けてほしいのです。その先頭にたったのが保健婦でした。本を読み、映画を見て、悩み多き青年は、保健婦にあこがれました。そのあげくに保健婦の女性と結婚することになりました。
 沢内村の事跡は、行政と住民が一体になって健康づくりにとりくんだ「公衆衛生活動」の典型として全国に大きな影響を及ぼしました。いま、公衆・公共(パブリック)という概念が希薄になっています。
 映画「いのちの山河」をご覧いただき、心にひびくものがあったら、6月の本上映には、回りの人をお誘いください。ぜひ自主上映を成功させたいと願っています。

実行委員会からの挨拶

「いのちの山河」上映会




〈Page Top へ〉

表紙 Top Page 総合目次 Menu 更新情報 What's New 諌鼓を打て Menu 諌鼓を打て Contents











イワウチワ
イワウチワ