BOOK2024  
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 《2023|2024- 1011122025



筑波大学DACセンター『ヒトはそれを「発達障害」と名づけました』金子書房
筑波大学DACセンター監修、佐々木銀河編&解説、ダックス著となっている。「ダックス」はDACセンター職員で、発達障害の当事者とのこと。『発達障害』とは何か?をテーマにしたマンガ。▼そもそも「障害」という用語が適切なのか? 最近では「症」を用いることが増えている、とのこと。▼3人のキャラクターを使って、発達障害の特徴を示す。 ASD:ネコ‥自閉症スペクトラム症、 ADHD:トリ‥注意欠如・多動症、 SLD:サカナ‥限局性学習症 (LD:学習障害) ▼DACセンターはダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンターの略号、今は筑波大学 BHE - ヒューマンエンパワーメント推進局、となっている。

筧 裕介 (著), 樋口直美 (監修)『認知症世界の歩き方』ライツ社
著者は認知症の専門家ではなく、デザインが専門。監修者はレビー小体型認知症の当事者。「認知症未来共創ハブ」という団体が著者と考えた方がよさそうだ。 ▼「本人の視点で認知症を知ることのできる本を目指しました」とのこと。 約100名のインタビューに基づき、「旅のスケッチ」、「旅行記」の形にまとめている。 ▼「認知症による心身機能障害」として44の障害を挙げ、4つに分類している。それを「認知症世界の歩き方」として13個の「STORY」で記述する。 ▼地名、人名が思い出せない、漢字が書けない、会話・説明が理解できない、文章がうまくできない‥‥など自分にもあてはまる。 ▼ともかく数多くの例を挙げているが、多すぎて、アタマに入りきらない。 各項のタイトルもひねりすぎで、どうも、若い読者を想定して作られた本のようだ。 (2024.01)


星野仁彦(ほしのよしひこ)『発達障害に気づかない大人たち』祥伝社黄金文庫
著者は福島県立医科大学神経精神科助教授から福島学院短期大学教授、同大学副学長を務めた。本の内容は医学雑誌みたいな感じで、研究の引用や症例の紹介が多い。 ▼子どもの1割以上が何かしらの発達障害の症状を示し、その多くが、発達障害であるとは気づかないまま大人になっていく。 発達障害は、脳機能の発達の凸凹が原因である。 大人の発達障害は、うつ病やアルコール依存症などを合併することが多い。 ▼注意欠陥・多動性障害(ADHD)とアスペルガー症候群(AS)を中心に扱っている。これらは気づかれにくい。そもそも「障害」と呼ぶことが適切かどうか。「障害」という言葉は、米国精神医学会の診断基準にある Disorder を訳したもの。著者は「発達アンバランス症候群」と呼ぶべきだと言う。 ▼「大人の発達障害は治せる」として、いろんな治療法などを解説している。 ADHDやASのような徴候は、自分を含めて身の回りに少なくない。「障害」か「症候群」かはともかくとして、対応が大切だが、簡単ではない。 (2024.02)


芝健介『ヒトラー』岩波新書
この著者の本「ホロコースト」を10年前に読んだことがある。ドイツ現代史が専門で、とにかく記述が細かい。 ▼戦後のドイツではヒトラーに対する肯定と否定が反復されてきた。ヒトラーには「悪い面」だけでなく「良い面」もあった、という「ヒトラー神話」はいまも生きている。 ▼帯には「悪魔か凡人か─」とある。「悪魔」と超現実的な評価をするのはあり得ないが、かといって凡人ではあるまい。人の心をつかむ話術は天才的と言っていいのはないだろうか。 ▼ともかく人名や地名などの固有名詞がすさまじい勢いで出てくるので、頭が追いついていかない。もうこういう書物を読むのは限界だな、と思いつつ、ついつい手に取ってしまう。 ▼「ヒトラーは希代の独裁者であった」と記している。  1920年代初期からはナチ党の独裁者として、1933年以降は〜国の独裁者として、トップに立ち続けた。 「それを支えた重大要因は、指導者原理にがんじがらめとなり、自らのあらゆる責任を放擲した軍や国民の盲従、たたきこまれた服従心と根深い道徳的崩壊にあった」と評する。ヒトラー本人よりも、周りの依存心が大きく作用した、ということか・・・ (2024.03)


筧祐介『認知症世界の歩き方・実践編』英治出版
1月に読んだ本の続編。続編だと思うが、出版社は替わっている。「はじめに」の冒頭に‥“認知症とともに生きる人生に必要なもの、それが「対話」と「デザイン」だ!”‥ とある。 ▼PART1:対話編、PART2:デザイン編。ちょっと変わった編集スタイルで、ついていくのがしんどい。 ▼認知症当事者との「対話」の基本として8項目を整理している。 @さよなら!偏見 AYes,and! まず受け入れる B言動の背景を推理する C急がない、ゆっくりと  D役者のように振る舞う Eともに考え、ともに決める Fやりたい!楽しい!を大切に G地域の仲間をつくる (2024.04)




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