BYPASS17  
 
機関紙誌等に発表した雑文等を掲載しています。


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あけましておめでとうございます   2017.1.1

閑古鳥・諌鼓鳥



私と新医協 2017.04.06

新医協の機関誌への原稿を収録しました
「医学評論」No.117.2017.10

新医協写真  私と新医協は、ともに1948年生まれです。私が新医協とかかわるようになったのは、歯学部専門課程の2年か3年のころでした。同郷でもある現会長・岩倉政城先生に誘われたのがきっかけです。
 古いアルバムを引っ張り出してみました。
 現在京都府保険医協会で活躍しておられる秋山和雄先生の送別会の写真がありました。1970年の夏か秋のころのようです。当時の新医協の歯科のメンバーが集まっています。みんな若かった!
 幹事役は岩倉先生。当時は生化学教室に所属。奥さまも一緒に参加しておられます。
 主賓の隣には、「元祖・保健所歯科医師」と称され、公衆歯科衛生の分野で大きな足跡を残された宮入秀夫先生。そのほかに、代々木病院歯科勤務ののち松本歯科大学障がい者歯科学講座の初代教授(現・名誉教授)になられた笠原浩先生。当時佐久総合病院歯科医長の船山忠夫先生。中野勤医協の設立や保団連歯科協の設立に大きな役割を果たされた今村国利先生。いまも東京歯科保険医協会で活躍している浅井武彦先生。歯科麻酔学が専門で、いまは新潟で反核医師の会やマラソンで活躍している谷田部雄二先生。などなど、懐かしい顔が並んでいます。
 恥ずかしながら、ギターを抱えている私の写真があります。この日集まったなかの最年少です。その隣は新潟県柏崎市で本業より熱心に反原発運動に取り組んでいる吉野信哉先生。学生時代は柔道部所属、このころは病理学の院生だったかと思います。そのまた隣は細菌学が専門で、現在東京歯科大学名誉教授の奥田克爾先生です。早くから歯科疾患と全身の関係を強調されている先駆者です。
 こうしてみると(私を除いて)多士済々、すばらしい人々が集まっています。
 私の学生生活の後半は、山梨県の無歯科医地区や東京の下町でのフィールド活動など、授業をさぼってまでも外へ飛び出す日々を送っていました。どちらかというと内向きな性格の自分を駆り立てたエネルギーの相当部分は、新医協でつちかった人間関係にあったように思います。
 どこかで共通しながら、それぞれが違う分野で熱意をもって取り組んでいる。「やれ」とか「やめろ」とか余計な口出しはしない。信念をもって活動する者には協力を惜しまない。周りから熱を照射されるオーブントースターのような世界。そんな人間関係です。
 だんだんに世の中がきな臭くなってきました。かつてナチスドイツでは、正統なドイツ人以外に歯科治療を施してはならない、とされていました。医療関係者は、障がい者や精神病者を届け出なければならず、協力すれば報酬が、しなければ罰金が科せられました。安楽死を選ぶ権利なるものが提唱されて、それが安楽死させる権限にすり替えられていきました。いわゆる「T4作戦」で犠牲になった障がい者や精神病者などは27万5千人に及ぶといわれています。
 ナチスを見倣え─と公言する痴れ者や、社会保障に国費を投じるのは「不道徳だ」─と決めつける者が政治の中枢に居座り、ヒトよりカネ、円よりドルをあがめる政治が闊歩しています。医療を国民の手に取り戻さなければなりません。
 新医協は、医療という大きなくくりで、多様な職種の個性的な人々が集まっています。そういう場での交流が、これからも多くの人材を育てていってくれることを期待します。10年後、20年後が楽しみです。




共謀罪 NO! 2017.05.21

反核医師の会MLへの投稿を収録しました

  

 富山駅前、Cic前広場で約300人が参加し、「共謀罪阻止! 戦争法廃止! 富山県民集会」が開催されました。30度を超える真夏日の暑さの中、集会のあと県庁と市役所のあたりを回る経路を行進しました。
 「共謀罪」を「テロ等準備罪」と言い換え、「国際組織犯罪防止条約」加入の必要条件だとか、あたかもオリンピックのために不可欠であるかのように言いつくろい、マスメディアをコントロールして、するっと通っていきます。アベの、文節ごとに一息いれて区切る、あの話し方は何なのでしょう? 論理とか一貫性とかは関係なく、受けのいいように語って(騙って)いるだけのような印象を受けます。
 原発の「アンダーコントロール」発言などは典型と言えるでしょう。
 この人の舌はどうなってるのだろう。二枚舌どころじゃない、千枚舌ではないかと舌を巻きます。

 戦前の「治安維持法」も、最初は「一般人には関係ない」と説明されていました。泊の料亭「紋左」での出版記念の宴会を口実にして起きた「泊事件」(横浜事件)では約60人が逮捕され、約30人が有罪となり、4人が獄死しました。
 件の法案にはテロ等準備罪に該当する277の犯罪リストを掲げています。しかしながら、法律というものは常々「等」と表記して拡大解釈の余地を確保しています。捜査する側にとっては盗聴や盗撮がやりやすくなるので、ほくほくでしょう・・・

 いまどきは「デモ」と言わず「パレード」と言うようです。歩きながら50年ほど昔のことを思い出していました。

 何かの集会があって、仲間と連れだって会場に向かって歩いていました。どこかの国の大使館が建っている、静かな通りでした。歩道をふさぐように機動隊員が立っていて、仕方なく車道に降りて歩いていきました。そのうちに車道の前方と両側の歩道から挟むようにジュラルミンの盾を持った機動隊員が進んできて、押し戻され、歩いていた連中が団子のように集められてしまいました。「そこは車道だ。道路交通法違反だ」とハンドマイクががなり立てます。さらに、行く手を遮られたために、後方から歩いてきた連中が溜まってしまいます。団子はさらに大きくなりました。
 「そこの集団は無届け集会である。ただちに解散せよ。さもなくば逮捕する!」とマイクのトーンが上がります。ここで、「何言ってんだ!」と切れてしまったら、思うつぼ、「公務執行妨害」です。駅のほうへ、どんどん押し戻されました。

 別の機会には、もっと露骨な挑発を受けたことがあります。周りから取り囲んだ警察官が肩を小突いて、人間をコマのようにぐるぐる回します。「おい、どうした、くやしくないのか。それでも男か。ほらほら、どうだ」と煽るような言葉をかけてきます。仲間のリーダーが声を張り上げました。「挑発にのるな! 手をポケットに入れたままにしろ!」‥‥何回転もさせられ、目が回りそうになりながらも手をださずにこらえたものです。
 その傍らではカメラを構えた私服警官が、近距離で一人一人の顔写真を撮影していました。

 権力の側は、「共謀罪」という、便利で強力な道具を手にしようとしています。

注)  「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(通称:組織的犯罪処罰法)を改正して 「テロ等準備罪」を新設する「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」(略称 「テロ等準備罪を創設する組織的犯罪処罰法改正案」)は、2017年5月19日衆議院法務委員会で強行採決され、可決された。5月23日衆院本会議で強行採決され、可決された。






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