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数字でウソをつくな!(その18)

日本のGDP

 


 相次いで日本の経済統計にたいする「うそつくな」の声が海外から浴びせられている。

 
下記の二つの報道は朝日新聞記事から要約  

(1)ニューヨーク・タイムズは2000年5月24日付朝刊で、経済企画庁がデータを操作した結果、国内総生産(GDP)成長率は本来よりも高い数字になった、と報じた。背景には政治的圧力がある、とも報じている。(政府・与党は年0.6%成長を公約している)

(2)経済協力開発機構(OECD)が5月30日発表した加盟国の成長見通しの中で、日本の国内総生産(GDP)統計について「経済活動はGDP速報より明確に強く、誤解を与えかねない姿を示した」などとする異例の指摘を行った。


 いずれも昨年10―12月の国内総生産(GDP)統計にたいする指摘である。(1)は実際より高めになっているといい、(2)は逆に実際より低めになっているという。要するに、あてにならない、ということである。

 (1)では、金融機関の設備投資額を問題にしている。予想値と実測値との間に大きな差異があったため、操作を加えた。それによってGDPが0.2%程度違ってくるという。経済企画庁は、事実関係を認めたうえでGDP値を修正すると発表した。潔いが、惨めだ。
 (2)では、個人消費を総務庁の「家計調査」をもとに推計している点と、公共事業とくに地方事業についての把握が不十分な点が指摘された。
 家計調査は「世帯員2人以上の勤労世帯」を対象とした消費動向の調査であり、これをどうやってGDPに結びつけるのか、そのからくりが私のような門外漢には想像もつかない。OECDは、独身貴族の消費が反映されないことを問題にしているが、逆に、農林漁業者や高齢者の消費も反映されないことを無視している。→シリーズ9
 公共事業については論を待たない。とかく目に見える「公共投資」にばかり関心が向かうが、いわゆる「三セク」(この用語はなんとかならないのだろうか)を通して、どれだけの公的資金が浪費されているか、実態はまったく闇である。

 外圧に頼るのは情けないが、この機会に、政府統計を見直して、正確であることはもとより、国民にわかりやすい明快な統計にしてほしいものだ。

2000-05-31



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