|
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受給者(万人) |
受給総額(億円) |
一人月額(万円) |
国民年金 |
1475 |
77456 |
4.4 |
厚生年金 |
1362 |
163958 |
10 |
共済組合 |
359 |
75451 |
17.5 |
福祉年金 |
40 |
1608 |
3.4 |
合計 |
3236 |
318473 |
8.2 |
「老人は金持ち」論の根拠にするために「高齢者世帯の所得」という統計が利用(悪用)される。これは「65歳以上の夫と60歳以上の妻の二人暮らしか、そのどちらかの一人暮らし、ただし18歳未満の子どもと暮らす世帯を含む」世帯を抽出し、経済的に自立可能な者を主な対象とした偏った統計である。これではないか、と見当をつけて、電卓を叩いてみた。
厚生省「国民生活基礎調査」から、高齢者世帯の所得内訳を拾ってみると、公的年金による所得は世帯あたり月15万円である。20万円にはほど遠い。どうやらこの統計を使ったのでもなさそうである。
これは弱った、迷宮入りかと諦めかけたが、経済企画庁編「国民生活白書」を開いたら平均年金月額が19.9万円というグラフが目に入った。93年度の数字だから、現在は20万円以上になっているはずである。
解説を読んでみると「平均的な高齢者夫婦の厚生年金」であり、退職した夫の厚生年金(基礎年金部分を含む)と妻の国民年金を合計したものだ、と記してある。つまり、「平均」ではなく、「平均的」の意味であり、実際には平均とかけはなれた「モデル」だったのである。念のため付け加えるなら、「ひとりあたり」ではなく「夫婦モデルの年金」であった。白書のグラフには、誤解を誘うかのように、「平均年金月額」とハッキリ書かれている。
さて、これで謎は解けた。
それにしてもお粗末な・・・・・
1997−10−14 小熊